東浦町でのマンションリノベが完工しました。いつも通りにフルリノベ、今回はリビングと、和室の作り替えを中心にご紹介しようかと思います。
ということで、皆さんこんにちは! アルファスタイルの鈴木寧です。
今回の現場は尾張森岡駅から徒歩数十秒。同マンションに暮らす高校生は駅のアナウンスが聞こえてから玄関を出るとかなんとか。そんな便利なところでいつもの再販リノベーションです。
いつもの完工報告とは少し趣向を変え、和室にクローズアップしてお話ししていこうかと思います。
まずは工事前。
スペックだけで言えば広さは6畳、押入と床の間が付いて、障子が走る出窓付き。
築25年くらいのマンションには結構多い、リビングから襖を隔てただけで通じる和室ですね。建築界隈ではこれをリビングスグワシツと言います。嘘です。
そういうわけなので返り見すれば居間広がりぬ。
リビングだけで16畳ほどの面積、これと和室を繋げて22畳のリビングを造るのが今回の任務。
とりあえず解体。
畳下は紙一枚貼ってスラブなのでリビングとは12mmの段差ができます。
あまり天井が高いと和室感がないとでもいうのか、天井にもしっかりと段差ができています。
ただしその辺はそこまで大きな問題ではありません。
天井が低くても下がり天井っぽくできますし、どうにも困ればリビング側も全て増し張りしてしまえば段差なんてなくなります。もちろんあくまで最終手段なので実際やったら予算関係でめちゃくちゃ叱られますが。
最近気づいたのは床とか天井よりも和室っぽくさせる小さな部分の方が面倒だということ。
出窓はそのままでは洋室の雰囲気と合いません。特に障子を走らせる窓草などは溝が掘られていることがほとんど。これが見えるだけで「リフォームしました感」が出て施工の詰めが甘いという評価につながります。
押入も当然障子を走らせるものですし、床の間なんてリビングにあれば「なんでここだけ和風やねん」とツッコみを受けることは必定。
というわけでどうにか痕跡を誤魔化したいのですが、こういったところに付けられている木材は大抵スラブにボンド付けか壁の奥深くまで埋まっているか。取ってしまうと周りの被害が大きくなってしまいます。
窓枠は取りあえず薄いベニヤを貼って溝を塞ぎます。
リアテックという薄いシートがありますのでそれを貼って対処するため、下地を作っておきます。
押入はクローゼットに、床の間は本棚に変更します。
床は畳に高さを合わせていたので破壊、リビングに合わせるために12mm合板を貼っておきます。
周辺の壁を触るついでにテレビボードを設置。
リビングっぽさを加えていきます。
形を作ってクロスを貼っていくとこんな感じです。
出窓は白のシートで巻いて和室特有の重みのある木の色を上書きしています。
色情報というのはかなり大切らしく、「周りと同じ色」と先入観を作るだけで違和感を覚えること自体がなくなるそうです。
赤く塗ればなんでもシャア専用となるのと同じですね。
押入と床の間の改造。床の間に至っては床の高さを合わせて棚を付けただけですが和風な感じはなくなりました。
見学会ではクローゼットもご好評をいただきました。テレビ横にあることで来客時に物を入れやすいというのもあるそうです。
全体でこう。
うまく一つのリビングとして造り変えられたと思っています。
リフォーム・リノべのお仕事をいただく中で、和室を洋室に、リビングに、というのはよくあります。
単純にリビング拡大論が起こっているのか、一昔前になんとなく日本ならと造られた和室が不要になったのかは定かではありませんが、そういう流れのようです。
こういった経験がこの先役に立てたらうれしいと思います。
というところで本日はここまで。
ありがとうございました。