㈱山長商店さん
和歌山県の白浜の近くにある材木屋さんです。岡崎ICからバスで5時間。いやー遠い!
無垢材と国産材にこだわった材木屋さんです。
林道ぬけて
山長商店さんの保有する林道を走っているところです。
当然ながらこの林道をつくったり、維持管理するのも山長さん。コストも掛かり大変みたいです。
樹齢110年ぐらいの杉
この杉の樹齢は?と質問され60年ぐらいかな、と答えるとなんと110年ぐらい。
ちょっとびっくり。案外成長するのが遅いんだと。
でもこれがこの紀州産の材木の特徴だそうです。
苗木の植え方で木の成長も変わるそうです。木々の間隔を広くすれば、木の成長は早い。しかし、年輪の間隔は広く強い柱にはなりにくいそうです。
この紀州材の特徴は目の詰まった年輪の間隔が狭いとても強い材木だそうです。
山長林業の松本常務様が同行していろいろお話していただきました。ただ、一番楽しみにしていた森の散歩は突然の豪雨で中止。残念。
切り出して運搬されます
このように先ほどまで山で生えていた木々が運搬されてきます。
基本的には樹齢60年ぐらいの木が切り出されます。
それでも60年ですよ。
長い年月ですね。
皮むきされた状態
大きな鉛筆削りのように皮がめくられます。写真にはないですが、めくられた皮の量がものすごい。
でもこの皮は捨てれば産業廃棄物扱いになってしまうとのこと。本当はただの杉の皮なのに。
でもここの材木屋さんのすばらしいところはこれらを再利用しているところです。
丸太から角材へ
上の写真の状態からとりあえず角材はカットされた状態です。
え、これで終わりじゃないの?と思うかもしれませんが実はここからが大変なんですよ。
この状態では含水率がとても高く、そのまま柱に使えば、ひどい割れ、そりなどが発生してとても建築資材として使えません。
ちなみに、この写真の左右で杉と桧の角材が写っていますが判別できますか??
答えは。左が桧、右が杉です。桧はあまり水分をほしがらない木で、山のてっぺんに植えると育ちがよく、逆に杉は水分をほしがる木であり、山のふもとに植えるととてても育ちがいいそうです。この状態でこれらの材木を持ち上げると杉の方がとても重たい。たくさん水分を含んでいる証拠です。
材木を乾燥する装置
実はこの過程が大変。
この装置はは減圧しながら木材を乾燥させる機械です。季節や材木の状態を見極め、この機械の性能を一番発揮できるようにプログラムすることが一番難しいことらしいです。やっぱり、機械だけではなく、人間の感はいつの時代も必要なんですね。
そしてこの装置の燃料が先ほど出てきた材木の皮を利用しているそうです。さすがですね。
一本づつ全数検査
ここで行われるのがとても大事な検査。木材に含まれる含水率、打撃検査によるヤング係数の測定です。
ここで基準値をクリアしない材料は構造材として出荷されません。
検査を合格した材木だけが次のステップへ進めます。
合格した材料にはシリアルナンバーが印字されます
このように1本づつナンバーが入ります。
2012年8月18日に検査した57本目ということです。
プレカット
今では当たり前のプレカット。その昔は大工さんが手加工していたんですが、今ではすべて機械によるカット。とても精密です。
ここで他社とは違う配慮があります。無垢材への強いこだわりから熟練されたオペレーターがその家に見合う向きに柱をレイアウトしていきます。すばらしいことです。
邸別にプレカットされた材木たち
このように丁寧に梱包されていきます。一番上の材料は柱材。黄色に見えるシートは紫外線防止シートだそうです。ここにもこだわりが・・・。
下のダンボールにくるまれている材料は化粧材。そのまま見える材料です。しっかり梱包されていますね。
出荷される材木たち
このトラックは関東エリアへ。
以前は港から船を使って運搬していたとのことです。今はトラックの陸送が主流です。
現場ではこの材木をお施主様が待っています。
きっとすばらしい木の家が建つのことでしょう。
流れでみると「へぇー」って感じですが、山を育て、管理して木を育てる。
その木を丁寧に加工して製品化している。ここまでこだわった材木屋さんは正直いってみたことがありません。
今では集成材が主流。外国材をスライスしてボンドでガチガチに固めた柱ばかり。
木というより工業製品です。
そんな時代の中、ここまで国産にこだわり、無垢材を貫く会社のポリシーに感動です。
本当にいいもの見せていただきました。
当社もこの材木を使った家づくりをすすめていければと考えています。