皆さんこんにちは!
アルファスタイルの鈴木寧です。
2月の末に緑区で二件同時に着工するようで、少し早めですがその下見に行ってきました。単独4件目が進行中なのでもうそろそろ同時くらいこなせということですね。
今日先に紹介するのは左京山駅近くの物件。
唐突ですがみなさん、のび太の太陽王伝説を観たことありますか? あれでのび太そっくりの王子がのび太の家(現代の家)を「敵に攻められたらどうするつもりだ」って批判するシーンがあるのですが、この物件はそんな現代建築の不安を解消してくれる造りなんです。
というわけで見ていきましょう。まず一階で庭があってウッドデッキまであるという代物。
塀が高く柵もあるといういかにも防衛力の高そうな配置。通りからの人目を気にせず庭を広く使えるという利点もあります。
ウッドデッキはまだしっかりしているので塗装工事で足りるでしょう。面積だけ計って取りあえず中へ。
キッチンの背後にも防壁が築かれています。
カウンターの中は収納になっているので使い勝手も考えられたキッチンではないでしょうか。
……もらった新規図面だとこれ撤去されてますね。もったいないです、これ銃撃戦になったら絶対に壊れないやつなのに。
しかしキッチンとカウンターの間には落とし穴が設置されているという周到ぶり。平時は床下収納というマンションでは珍しい機能を発揮して生活を助けてくれます。
こちらはそのまま残します。戸建の床下収納と違って周りがコンクリートで固められているのでサイズはきっちり同じものでなければいけません。気を付けましょう。
和室にも落とし穴。もしやこれは一人用塹壕ではないかと疑うほどの設計士の竪穴へのこだわり。
マンションで掘りごたつなんて見たことないので是非とも残したいところ。しかし掘りごたつは掃除が大変ですし寝っ転がれません。ワクワクするけど実際の使い勝手はたしかに考え物です。
現代ではリフォーム時に埋めてしまうことがほとんどらしく今回も部屋ごと洋室にして埋めるプランへ。
浴室はびっくり、ユニットではなく在来工法。立てこもれば入り口以外は破れないという堅牢さ。ここが最終防衛ラインですね。
壊すととても大変なのでクリーニングを検討。既製品ばかりのマンション浴室群に一石を投じてくれると信じてここは是非ともきれいになっていただきたい。
というわけでリノベーションにあたり防御陣地は残したり残さなかったり。防衛力と快適さを両立させるというのは建築の歴史において重要かつ永遠のテーマのうちの一つだと思います。ドイツの高射砲塔とか結露すごいと言いますし。
そんなこんなでどんな物件になるか楽しみにしつつ今回はこれで失礼します。
次回はもう一件をご紹介。
ありがとうございました。